生前贈与、死因贈与による所有権移転登記(不動産の名義変更):不動産登記.jp(宮城県仙台市のHigh Field司法書士法人)

贈与による所有権移転登記(名義変更)

生前贈与による不動産の所有権移転登記(不動産の名義変更)は司法書士が頻繁に相談を受ける案件の一つであり、親から子への贈与や、夫から妻への贈与などが典型的な例です。

贈与の登記手続はそんなに難しくありませんが、贈与税を考慮する必要があります。

贈与とは

民法549条は、贈与について「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受託をすることによって、その効力を生ずる。」と定めています。

条文からいうと贈与は基本的に無償契約になりますが、有償の贈与(負担付贈与)も可能です。

また、贈与者側の死亡を条件として効力を生じる贈与(死因贈与)もあります。

死因贈与に対して、贈与者の生前に行なう贈与を生前贈与と呼ぶことがあります。

贈与による所有権移転登記の必要書類

贈与を原因として所有権移転登記を行なう際の添付書類は次のとおりです。

登記原因証明情報・・・(贈与契約書で代替可能)
法務局が登記原因を確認できるよう、贈与の事実を証明する書面を提出します。
登記専用の登記原因証明情報を作成する他、贈与契約書で代替することも可能です。
贈与者の権利証(登記済証)または登記識別情報 
贈与者が贈与対象の不動産を取得した際の権利証が必要です。
贈与者の印鑑証明書 
発行から3ヶ月以内の印鑑証明書が必要です。
受贈者(贈与を受ける人)の住民票
贈与者及び受贈者からの委任状 
贈与による登記を他人に任せる場合、委任状が必要です。
固定資産評価証明書
贈与による所有権移転登記には固定資産の評価額に応じた登録免許税が必要となりますが、これを計算するための資料として固定資産評価証明書を添付します。

贈与による所有権移転登記にかかる登録免許税

贈与を原因として所有権移転登記を行なう際には、不動産の固定資産評価額×1,000分の20(2%)の登録免許税が必要であり、登記申請の際に納付しなければなりません。

不動産の贈与に関するその他の税金

贈与を原因として所有権移転登記を行なう際に最も注意しなければならないのは、税金のことと言っても過言ではありません。

次は一般的な説明になりますので、詳細は税理士・税務署・県税事務所等にご確認ください。

贈与税

実は「贈与税法」という法律は存在しません。

贈与税については「相続税法」という法律に規定があり、相続税と贈与税は表裏一体の関係にあります。

生前の財産移転は贈与税、没後の財産移転は相続税が課税されることになります。

相続による財産移転については少なくとも5,000万円の基礎控除があり、よほどの資産家でない限り相続税がかかることはありません。

これに対し、生前贈与による財産移転については年間110万円の控除しか存在しないため、110万円を超える財産移転には贈与税が発生します。

また、贈与税と相続税を比較した場合、贈与税の税率のほうが高額になっています。

なお、一定の条件を満たした場合、贈与税の課税を相続開始のときまで繰り延べできる相続時清算課税の制度がありますが、同制度を利用するには贈与時の申告が必要となりますので、詳細は税理士や税務署にご確認ください。

不動産取得税

生前贈与によって不動産を取得した場合、都道府県から不動産取得税が課されます。

なお、相続によって不動産を取得した場合には不動産取得税が課されませんので、この点でも生前贈与より相続のほうが有利です。

印紙税

贈与の契約書を作成する場合、贈与対象となる財産の価格に応じて印紙税がかかります(贈与契約書に収入印紙を貼付し、消印を行なわなければなりません)。