所有権移転仮登記、根抵当権設定仮登記などの仮登記:不動産登記.jp(宮城県仙台市のHigh Field司法書士法人)

仮登記

書類が不備で登記申請ができない場合や、将来物件変動が見込まれれる場合など、一定の条件の下に仮登記が認められています。

あくまでも仮の登記ではありますが、通常の登記(本登記)と同等の順位保全効は認められています。

仮登記は本登記に比べて登録免許税が安く済みますので、高額な取引では費用節約のために仮登記が用いられることがあります。

仮登記の種類

仮登記については不動産登記法105条1号及び同2号に規定されており、根拠条文に従って俗に1号仮登記、2号仮登記と呼ばれています。

1号仮登記

1号仮登記が認められるのは「所有権、地上権、抵当権等の権利についての保存、設定、移転、変更、処分制限等について、登記申請に必要な登記識別情報や第三者の許可書等が添付できない」場合です。

実体法の上では物件変動が生じているものの書類不足で登記が申請できない場合に、仮登記による順位保全だけは認められることになります。

注意が必要なのは、1号仮登記のあたっての「書類不足」とは、登記識別情報や第三者の許可書等が添付できない場合に限定されている点です。

印鑑証明書や委任状が揃わないという理由で1号仮登記を申請することはできません。

2号仮登記

不動産登記法105条2号は、「権利の設定、移転、変更又は消滅に関して請求権(始期付き又は停止条件付きのものその他将来確定することが見込まれるものを含む。)を保全しようとするとき」に仮登記ができると定めています。

具体的にいうと、2号仮登記の申請書には「所有権移転請求権仮登記」や「始期付所有権移転仮登記」などの記載がなされます。

仮登記に必要な書類

仮登記を申請するために必要な書類は次のとおりです。

登記原因証明情報
印鑑証明書
所有権者が仮登記義務者となる場合、発行から3ヶ月以内の印鑑証明書を添付します。
承諾書(印鑑証明書や資格証明書も含む)
仮登記義務者から承諾書(印鑑証明書付、法人の場合にはさらに資格証明書付)を得た場合、仮登記権利者のみの申請によって仮登記が可能です。
登記委任状
仮登記を司法書士などに依頼する場合、登記委任状が必要です。
固定資産価格証明書
所有権保存や所有権移転の仮登記では、登録免許税算定のために固定資産評価証明書が必要です。

仮登記に関する登録免許税

所有権保存、所有権移転、用益権の設定、用益権の移転など、登録免許税の課税標準が不動産の価格である登記に関する仮登記の登録免許税は、概ね通常の登記の半分の税率になります。

他方、担保権の登記等、登録免許税の課税標準が不動産の価格以外である登記に関する仮登記の登録免許税は不動産1個につき1,000円とされています。

なお、司法書士に仮登記を依頼する場合には、別途報酬が必要になります。

司法書士に依頼した場合の登記費用

仮登記の本登記

仮登記はあくまでも仮の登記ですので、本登記の条件が整った場合には仮登記を本登記にすることができます。

仮登記の本登記は複雑ですので、司法書士に依頼されたほうが無難です。

仮登記の本登記の必要書類

仮登記の本登記を申請するにあたっては、基本的には、通常の本登記を申請する際と同様の書類が必要となります。

これに加えて、仮登記後に登記簿上の利害関係人(所有権移転仮登記後に、所有権移転の本登記を受けた者など)が存在する場合には、当該利害関係人の承諾書(印鑑証明書付、法人の場合にはさらに資格証明書付)の添付も必要です。

仮登記の本登記に関する登録免許税

仮登記の本登記にも登録免許税が必要ですが、所有権移転など、登録免許税の課税標準が不動産の価格である登記に関する仮登記の本登記に際しては、仮登記の際に納めた登録免許税が本登記の際に控除されます。

簡単に言うと、仮登記のときに通常の登録免許税の半分を納めているので、仮登記を本登記にするときに残り半分の登録免許税を納める、というイメージです。

なお、登録免許税が不動産1個につき1,000円となる仮登記を本登記にする場合、登録免許税の控除はありません。

したがいまして、抵当権設定仮登記を抵当権設定本登記にする場合、通常どおりの抵当権設定登記の登録免許税が必要です。

仮登記の本登記は登録免許税の計算が複雑になりますので、ご自身で申請する際には法務局に確認していただいたほうが無難です。