判決・和解・調停・審判等による不動産登記:不動産登記.jp(宮城県仙台市のHigh Field司法書士法人)

判決・和解・調停・審判等による不動産登記

不動産登記は、所有権保存登記や登記名義人表示変更登記等の一部の登記を除いて、登記権利者と登記義務者が共同で申請することを原則としています。

例えば、取得時効の完成による所有権移転登記や遺留分減殺による所有権移転登記などについても、登記簿上の所有者(登記義務者)の協力を得なければ、登記を申請することができないのです。

しかし、時効取得や遺留分減殺の場合に、登記義務者が快く登記申請に協力してくれることは稀でしょう。

登記義務者の協力が得られない場合に登記申請を行なうために、判決による登記の制度があります。

これは、登記義務者に対して登記申請を命じる判決等がなされた場合、登記義務者の協力がなくとも、登記権利者が単独で登記申請ができるというものです。

判決による不動産登記

判決による不動産登記を行なう場合には、次のような条件があります。

判決は、被告に対して登記手続をするように命じるものでなければならない。
具体的には、「被告は、原告に対して、別紙物件目録記載の不動産につき平成○年△月×日売買を原因とする所有権移転登記手続をせよ」という主文の判決が典型例です。
「当該不動産が原告の所有であることを確認する」というような判決では、登記権利者単独での登記申請は認められません。
確定していることが必要
登記手続を命じる判決は確定していなければなりません(登記の際に確定証明書が必要です)。

調停・和解・審判等、判決以外での不動産登記

登記手続を命じる判決以外でも、判決に準じる効力のある裁判手続によって単独で登記申請できる場合があります。

  • 和解調書
  • 調停調書
  • 認諾調書
  • 審判書(確定証明書付)
  • 外国判決

実務的には、和解調書や調停調書で所有権移転登記を行なうことが珍しくありません。

判決・和解・調停等による不動産登記の必要書類

判決等に基づいて登記権利者が単独で登記申請を行なう際の必要書類は次のとおりです。

判決正本(確定証明書付)、和解調書正本、調停調書正本など
登記手続を命じる判決や、登記手続をすることを内容とする和解調書・調停調書が必要です。
登記権利者の住民票・登記事項証明書
判決等に基づいて所有権移転登記を単独で行なう場合、登記権利者の住民票(法人の場合には登記事項証明書)が必要です。
登記委任状
判決等による登記を司法書士などに依頼する場合には、登記委任状が必要です。
固定資産評価証明書
判決等による登記にも登録免許税が必要となりますので、固定資産の評価額を基準として登録免許税を算出する場合には、固定資産評価証明書が必要です。

判決等による登記にかかる登録免許税

判決・和解・調停・審判等に基づいて登記権利者が単独で登記申請を行なう場合であっても、通常通り、登記義務者と共同で登記申請する場合と同様の登録免許税が必要となります。

なお、司法書士に判決等による登記を依頼する場合には、別途報酬が必要になります。

司法書士に依頼した場合の登記費用

判決等による登記と登記名義人の住所・氏名変更

判決等によって登記権利者が単独で登記を行なうにあたり、登記義務者の住所・氏名が登記簿上の住所・氏名と異なっている場合などは、前提として登記名義人表示変更登記を経なければなりません。

離婚による財産分与の場合には住所や氏名が変わっていることが非常に多いですから、注意が必要です。

なお、判決等による登記の前提としての登記名義人表示変更登記は、登記権利者が登記義務者に代位して単独で申請することができます。